【新規事業の考え方】業界の巨人にリプレイス余地はあるか!?

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新規事業の考え方は、いくつかの方法があると思っています。

その中のひとつとして、「儲かる分野の儲かってる企業のリプレイス」といったアプローチの仕方をご紹介したいと思います。今回はWebメディア系の新規事業を想定してています。

儲かる分野とは?

メディアにとって最も大きな収益源は広告と送客です。どちらも企業の広告費から支出されているものですので、儲かる分野は広告費が出やすい分野といえると思います。

儲かってる企業をリプレイスできないか?

儲かる分野にいるトッププレイヤーは、当たり前ですがめちゃくちゃ儲かっています。そのトッププレイヤーを新しい切り口ややり方でリプレイスできれば、当たり前ですがめちゃくちゃ儲かります。今回のアプローチ手法は、儲かってる分野の儲かっている企業を挙げていって、リプレイス余地がないかどうかを検討していくアプローチです。

それでは儲かる分野ごとに見ていきましょう。

コスメ

コスメは2.3兆円市場と大きな市場です。原価率がかなり低いため、広告費率は相当高いでしょう

コスメ分野で最も儲かっているのはコスメ口コミサイトの@Cosmeです。@Cosmeはコスメデータベースを持ったメディアで、データベースの下には多数の口コミがついており、リッチなコンテンツを持った企業だと思います。

しかし、サイトを見て思うんですが、正直@Cosmeのレーティングはあまり信憑性がない気がします。例えば口コミサイトの雄である食べログは、口コミを書くレビュワーがいろんなお店を食べ歩いて、相対比較して口コミを書いているので、お店を数値化して比較するレーティングに信憑性があります。しかし、@Cosmeの場合、例えば化粧水を一人でいろいろ使って口コミを書くことは少なく、せいぜい2〜3くらい過去に使った化粧水と比較して書いているレベルで、それはほとんど絶対評価に近く、ゆえにレーティングが機能していないように思うのです。

閑話休題

コスメは一般的にはPUSH型の販売手法が必要な商品です。そりゃそうで、化粧水というただの水みたいなものがボトル1本1万円弱で売られています。普通にただ売っているだけで買う人はほぼいなくて、その化粧水がどれだけ素晴らしいか、またブランディングも活用して、やっと販売できるものだと思います。多くの人は百貨店などで店員におすすめされ、実際にその場で試して、セールストークを聞いて購入するケースが多いと思います。

そういった意味では基本的にPULL型販売しかできないWebとは相性がよくないかもしれません。PUSH型販売が必要なコスメを、Webで売る方法があれば、ビッグビジネスチャンスです。

たとえば最近、Flipdeskといった、Webに訪問した人に対してチャット形式で会話をするEC販促ツールが出てきています。使ってみましたが、正直まだまだWebの領域を抜け出しきれておらず、実店舗のような接客体験とは程遠いですが、今までよりはWebでPUSH型の接客を提供できているように思います。チャット形式が正解かはわかりませんが、Web上で実店舗と同じ接客体験ができるイノベーションがあれば、コスメ分野はかなり熱い分野になりそうです。

美容院

理美容院は2.2兆円市場とこちらも大きな市場です。一度行く美容院を決めるとなかなか変える人は少ないたため、LTVが高く、その分広告意欲も強いと思われます。

美容院分野で最も大きなメディアはホットペッパービューティーです。他に影響力のあるメディアはおらず、ほぼホットペッパービューティーの独占状態であると言えます。

美容院は一度決めたら同じところに通う人が多いと思います。そういった意味ではホットペッパービューティーのハードユーザーはクーポン目的の、美容院からするとあまり好ましくない顧客である可能性があります。

しかしLTVが高いため、あまりいない通い続けてくれる優良ユーザーを獲得するためにホットペッパービューティーに出稿せざるを得ないのです。

一方でユーザーからすると、商圏は広く探索意欲も旺盛なんですが、美容院は何で選べばいいかよくわかりません。基本的にどこも施設は綺麗ですし、見る限りイケてそうな感じがします。目に見える差があまりないのです。

そういうときに何を重視するかというと料金とクーポンになります。優良顧客も、最初はクーポンにつられて来るのです。ですので、美容院側は数少ない優良ユーザーを取るために、クーポンを出さなければいけないのです。

この美容院選びは最適な形とは言い難い気がします。実際には美容師との相性もありますし、美容師側も男性or女性、得意な髪型は何かなど、持っている技術もまちまちなんだと思います。

ユーザーと美容師のマッチング、ここにビジネスチャンスがありそうな気がします。

整形

整形は2,000億円市場でうち半分が広告費に使われると言われます。2,000億自体はそこまで大きくないですが、広告費率が高いため、Webメディアとしてはとても大きな魅力的な市場になります。

美容整形メディアとしては、圧倒的なものはありません。例えば、「美容整形」と検索すると、美容整形外科のHPが上位表示されます。

圧倒的ではないのですが、大きなメディアとしては、美容医療の口コミ広場やサイバーエージェント系の@美容整形があります。

特に美容医療の口コミ広場は、口コミがあることはもちろん、ドクター相談室という医師への相談ができるコンテンツが活況です。美容整形外科のデータベースに口コミをぶら下げて病院名や地域名でSEOをとり、ドクター相談室で整形ワード(Ex.二重まぶた、ほくろ除去など)でSEOをとるといった王道のデータベースメディアであると思います。

一方で、昨今の流行りであるキュレーションメディアは、整形分野には存在しません。整形分野ほどキュレーションしてある情報記事の価値は高いような気がします。コンテンツ的にバイラルマーケティングはしにくいですが(芸能人の整形BeforeAfterとかの記事ならいける?)、そこまでSEO難易度は高くないと思われるので、キュレーションメディアの形式で参入するのはありかなーと思います。

健康食品

健康食品分野は、楽天やケンコーコムなどECサイトはたくさんあれど、メディア的なものは見当たりません。

最終的には健康食品を売る形でマネタイズするため、メディアは回りくどいやりかたで収益性は微妙なんですが、メディアコマースが機能しなくもないかなと思います。

キャシング、ローン

アフィエイトの最激戦区です。この分野で検索一位をとれれば、月間で数億の収益が見込めるでしょう。

ただ最激戦区だけあって、参入余地はほぼ無いかと思います。

クレジットカード

これもアフィリエイトの定番分野です。キャッシングと同じく参入余地はほぼないです。

FX

上に同じ。

保険

上に同じ。

ファッション

この分野で最も大きなサイトはZOZOTOWNでしょう。普通のECではZOZOTOWNをリプレイスできることはないように思います。

可能性があるのはキュレーションメディアによるメディアコマースです。Meryなんかはすでに記事の中で服などのグッズのアフィリエイトリンクをつけてますよね。おそらく今後ECサイトを作って、自社サイトの中で服を買えるようにするんだと思います。

ただZOZOTOWNとMeryには大きな違いがあります。ZOZOは既にWebで服を探そうとしているユーザーに最適化しており、服の選びやすさなど、UIもそれ用にできています。一方でMeryのユーザーは服をWebで買いたいという気持ちが顕在化しておらず、まずは記事を読ませてそれを顕在化させてから服を売る必要があります。ですので、服の選びやすさに最適化するのではなく、いかに服を魅力的に見せるかというところに特化しています。

購買につながりやすいのはもちろん前者の顕在化しているユーザーであり、その点、なかなかMeryは厳しい戦いになるんじゃないかと予想します。

ウォーターサーバー

アフィリエイトの定番分野です。LTVが高く、広告意欲は旺盛ですが、市場規模が小さいので、アフィリエイターにちょうどいい分野だと思います。

人材(特に薬剤師、看護師)

市場規模は8兆円。最も大きいのは転職分野です。

転職分野と言えば、リクルート、インテリジェンス、マイナビなどがしのぎを削っています。隙間を縫って、3語掛け合わせワードのSEOといった切り口でじげんの転職EXなどの新興メディアも存在します。

転職の中でも、薬剤師・看護師は人材が不足気味で、事業者側の獲得ニーズが強いことから、高い広告料が設定されています。薬剤師や看護師がどういうことを思い立って転職をするのか等はわかりませんが、そういったニーズを汲み取って、分野に最適化した転職メディアみたいなのは事業余地があるかもしれません。

レーシック

自由診療は基本的に病院が価格を自由に設定できるため利益率が高く、広告意欲が高い分野です。

矯正・インプラント

これもレーシックと同じ自由診療カテゴリになります。市場規模は矯正2500億円、インプラント2000億円です。

矯正・インプラントカテゴリには、日本メディカルネットコミュニケーションズが運営する矯正歯科ネット、インプラントネットが存在します。両サイトともそれぞれの分野に特化したメディアであり、なかなか打ち崩すのは難しいかもしれません。

一方で、ユーザーからすると、どこがいい歯医者かよくわからないという事実があります。そういった歯医者選びの不便さを解消するようなサービスにチャンスがあると思います。

ダイエット

ダイエットはクエリ・ボリューム共に多く、メディア向きの分野だと思います。圧倒的なメディアも無く、キュレーション形式で「○○ダイエット」の記事を作りまくるのがいいと思います。

債務整理

探偵

婚活・恋活・出会い

ウェディング

旅行

不動産(賃貸、分譲、リフォーム)

引っ越し

免許

資格・通信講座

専門学校

プロバイダ

レンタルサーバー

ゲーム(特にスマホゲーム)

占い

こんなところでしょうか。書いてて気づきましたが、広告費が出やすい分野は、そのままアフィリエイトサイトが多い分野ですね。当たり前か。

まとめ

最近よく思うのが、世の中の新規サービスの9割以上は「何かのリプレイス」であるということです。例えば、メルカリはヤフオクのスマホ最適化によるリプレイスですし、いわゆるファッション系キュレーションメディアは雑誌のリプレイスです。

そういった意味でも、「旧態依然としたサービスのリプレイスを狙う」といった新規事業立案のアプローチをしてみるのも有効だと思います。

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