新規事業のビジネスチャンスは大きなパラダイムシフトの影にある!

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私は日々、新規事業の立案をしています。

新規事業の立案にあたって、成功しているスタートアップのビジネスモデルをよく分析しています。その中で全てのスタートアップに共通するわけではないのですが、大部分のスタートアップに共通することを感じたので、書いていきたいと思います。

イケてる事業の影にパラダイムシフトあり

まず大前提として、この世の中に「新規事業余地」はほとんど残されていません。

そりゃそうです。世の中の何万という人が、ビジネスチャンスを探っているので、イケてる事業余地があれば、誰かがやってしまっているということがほとんどだと思います。

逆に言うと、「これはビジネスチャンス!!」と事業余地を発見できた場合、その事業余地が空いているのは、ニーズがないとか、儲からないとか何かしら落とし穴がある可能性が多いので注意する必要があります。

スタートアップはそんな厳しい環境の中で事業余地を見つけ、事業展開をしていくのですが、大きく事業余地が生まれる瞬間があります。

それは大きなパラダイムシフトがあった時です。

何も無い平穏な状態では事業余地はほとんど残されていません。しかし、何か大きな変化があったときは、それに合わせたサービス、事業の余地が生まれます。

最近起きたパラダイムシフト

最近起きたパラダイムシフトと、それに合わせて生まれた事業余地で展開しているスタートアップを挙げていきます。

スマホ化

最近起きたパラダイムシフトで最も大きなインパクトがあったのがスマホ化です。これは人のライフスタイルを変え、さまざまな事業余地を生みました。

たとえば、わかりやすいところでいうとネイティブアプリのゲーム会社です。これらはGREEやDeNAといった、それまでブラウザでゲームを提供していた企業をディスラプトしました。

またユーザーのメッセージングの方法もスマホ化で大きなパラダイムシフトを迎えました。今までメールでやり取りしていたものが、スマホに最適化されたメッセージングアプリであるLINEにディスラプトされました。

そのほかには、これまでヤフオク一強だったCtoC分野においても、スマホ最適化したメルカリがディスラプトに近づきつつあります。

こういったように、スマホ化は大小様々なビジネスチャンスを生んだと言えるでしょう。

Facebook

これまで匿名が基本だったインターネットに実名でのやり取りを促進させたのがFacebookです。この実名制SNSはAPIにより個人情報を他サービスに開放することによって、様々なビジネスチャンスを生みました。

代表的なのは転職・就職支援サービスのWantedly、恋活・婚活サービスのPairsです。WantedlyはFacebookの”個人情報”や”つながり”を利用した人材サービスですし、Pairsはこれまでサクラが横行していた出会いサービスに、実名制Facebookを掛け合わせることで信頼性をもった出会いサービスとしてユーザーに受け入れられました。飲食店検索のRettyとかもそうですね。

またFacebookの登場で起きたもうひとつのパラダイムシフトが、バイラルマーケティングです。これまでマーケティングといえば、SEOや、アドネットワーク・リスティング広告などが一般的でした。そこにFacebookを始めとしたSNSが登場し、面白いコンテンツがシェアによりバイラルに広がっていく、コンテンツによるバイラルマーケティングが可能になったのです。これによって登場した最たるものがバイラルメディアです。日本ではまだそこまで大きなバイラルメディアはありませんが、海外ではBuzzfeedやUpworthyといったバイラルメディアが短期間で多くのユーザーを獲得することに成功しています。

クラウドソーシング

クラウドソーシングも最近のパラダイムシフトのひとつとして挙げられると思います。クラウドソーシングの登場で、安価な労働力の獲得が容易にできるようになり、これまでは費用がかかりすぎてできなかったことが、クラウドソーシングを使って事業展開できるようになりました。

その中での大きな事例がキュレーションメディアだと思います。キュレーションメディアはクラウドソーシングを使って記事を作成しています。ただ画像や取材などを自前で行っていては効率が悪いので、いわゆる「まとめ」という形をとることで、安価に大量の記事の作成に成功しています。前述のコンテンツを使ったバイラルマーケティングもあいまって、最近のキュレーションメディアはメディア業界の中で一大旋風を巻き起こしています。

モバイル回線環境の良化

スマホ化と関連しますが、この数年でのモバイル回線環境の進歩は目覚しいです。

これによって生まれてくる事業余地として最もポテンシャルがあるのは動画分野です。数年前にはモバイルで動画を見ることは動画がカクついて、ほぼ不可能でしたが、今では電車の中でほとんど止まることなく動画を再生することができます。直接動画を配信しているスタートアップとして日本ではCchannel海外ではNETFLIXなどが挙げられます。またYoutubeの裾野が広がりYoutuberなるものも生まれ、それをまとめるプロダクション的存在としてuuumや3minutesといったスタートアップも生まれています。

また音楽分野でも事業余地が生まれました。高速回線を利用した音楽のクラウド化によるサービスが出てきており、日本だとAWA、LINEミュージック、海外だとSpotifyといったスタートアップが生まれています。

ハードの進化

ハードの進化による事業余地は断続的に生まれています。

たとえばipadなどに小型端末をつけることで簡単に決済ができるようにしたSquareやコイニーなどの決済系スタートアップが挙げられます。

そのほかに次の大きなパラダイムシフトと言われているIoTもこの「ハードの進化によるパラダイムシフト」と言えると思います。

ハードではないですが、Flipdeskなどのアクティブサポートとかも大きな意味でテクノロジーの進化だと思います。例えばネットでは旅行ツアーとか保険などのリアルだと窓口がある、いわゆる説明商品は売りにくかったですが、アクティブサポートの力で売れるようになるかもしれませんね。

新しい広告ネットワークの登場

広告や送客モデルのWebサイトは、対象となる広告主を束ねる広告代理店やアフィリエイト業者が存在することが前提です。

ほとんどの分野の広告は、広告代理店/アフィリエイト業者で取り扱っているのですが、例えば社会的に少しブラックなもの(キャバクラとか風俗とか)は扱っていません。例えばこういうものを扱う業者が出てくれば、それらの分野に対してWebメディアとして展開することで、大きな収益を上げられる可能性があります。

まとめ

このように大きなパラダイムシフトの後には必ず事業余地が生まれています。

現状でなかなかビジネスチャンスを発見できない人は、次のパラダイムシフトを予想して先に動いておくといった観点からの新規事業立案もいいかもしれません。

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